大判例

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最高裁判所大法廷 昭和24(れ)37 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人江川六兵衛の上告趣意第一点について。

当該裁判所の公判廷における被告人の自白は、憲法三八条三項の「本人の自白」

にあたらないことは当裁判所の判例とするところである。(昭和二三年(れ)第一

六八号、同年七月二九日大法廷判決、同年(れ)第四五四号同二四年四月六日大法

廷判決同二三年(れ)第一五四四号同二四年四月二〇日大法廷判決参照)従つて、

原判決が原審公判廷における被告人の自白のみによつて、原判示第一の犯罪事実を

認定したことを以て、所論のごとく、違法であるとすることはできない。

又、当該裁判所の公判廷における被告人の供述を以つて、公判廷外における被告

人の自白の補強証拠となし得ることも、また、既に当裁判所の判例とするところで

ある。(昭和二三年(れ)第一七四四号昭和二五年一〇月一一日大法廷判決昭和

二四年(れ)第八二九号、昭和二五年一一月二九日大法廷判決参照)従つて、原判決

が原審公判廷における被告人の判示のごとき供述と、所論司法警察官に対する被告

人の自白とを綜合して、判示第二の事実を認定したことを以つて、所論のような違法

ありとすることはできない。論旨はいずれも理由がない。

同第二点について。

原判決挙示の証拠によれば、被告人が判示第二の窃盗について、Aと共謀した事実

を認めることができるのであつて、原判決には所論のような審理不尽等の違法はな

く、論旨は結局原審の自由裁量に属する証拠の判断事実の認定を非難するに過ぎ

ないから、採用に値しない。

弁護人瀧川堯の上告趣意について。

所論は、原判決の量刑を不当とし、被告人に対して、刑の執行猶予の恩典を望むと

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いうのであるが、かかる事由は上告の適法な理由とすることはできない。

よつて、旧刑訴四四六条に従い、主文のとおり判決する。

右は、弁護人江川六兵衛の上告趣意第一点について、裁判官塚崎直義、澤田竹治

郎、井上登、栗山茂、穂積重遠の少数意見及び同第一点中原判示第二事実に関する

部分について裁判官島保の少数意見を除く外、裁判官全員一致の意見である。以上

各裁判官の少数意見並びに裁判官眞野毅、齋藤悠輔の補足意見は前掲昭和二三年(

れ)第一六八号、同年(れ)第四五四号、同年(れ)第一五四四号及び同年(れ)

第一七四四号大法廷判決に記載のとおりである。

検察官 茂見義勝関与

昭和二六年四月四日

最高裁判所大法廷

裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 井 上 登

裁判官 栗 山 茂

裁判官 眞 野 毅

裁判官 島 保

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 河 村 又 介

裁判長裁判官塚崎直義は退官につき、裁判官穂積重遠は差し支えにつきいずれも署

名押印することができない。

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裁判官 長 谷 川 太 一 郎

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